LP v4
東京発ポップミュージックの系譜を辿り、その魅力を現代に蘇らせるコンサート「TOKYO POP CHRONICLE」。はっぴいえんどやシュガー・ベイブに始まる都市音楽の流れを、世代を超えた演奏とトークで再構築し、過去と現在を接続する。懐古にとどまらず、現在、そして未来へと響くTOKYO POPを体感する試みである。
出演者
解説
東京という都市が奏でる調べ——
この街が生み出した無数のポップミュージック。時には摩天楼のざわめきのように、時には煌めくネオンの輝きのように、都会のサウンドトラックとして時代を演出してきた。今回開催される「TOKYO POP CHRONICLE」は、そうした東京発のポップミュージックを再演し、時代を追体験し、さらには現代から未来へと鳴り響かせる、時空を超えた旅である。
タイトルに準じて当時の音楽シーンのクロニクル(年代記)を描くとするならば、70年代初頭、〈風街〉というキーワードのもと日本語ロックの基盤を形作ったはっぴいえんどを起点に、さまざまなアーティストたちが〈DOWN TOWN〉へと繰り出し新しいポップスの扉を開き、〈空と海の輝き〉のようなまぶしいポップソングを生み出しながら、その裾野を広げていった様子が浮かび上がるだろう。
さらに、ジャズやボサノヴァをバックボーンに持つ南佳孝が洗練された都市的音楽世界を築き、キュートでありながら私小説的な歌の世界を構築した尾崎亜美、湘南というサバービアから東京という都市とリンクしていったブレッド&バターらが潮流に厚みを与えていく。80年代の幕が開くと、〈トライアングル〉の一角を担った杉真理らが、その系譜をよりポップで洗練されたかたちへと推し進めていった。そうしたサウンドメイクの背後には、キャラメル・ママ〜ティン・パン・アレーに代表されるスタジオ・ミュージシャンの存在も欠かせない。そして彼らが生み出した都市型ポップスは、半世紀を経た現在、国内外の新たなリスナーによって「シティポップ」として再発見・再評価されている。
このイベントでは、林立夫や小原礼といったレジェンドのゲスト・ミュージシャンが参加し、さらにハウスバンドには高野寛や高田漣ら、世代を横断する演奏家たちが名を連ねる。彼らの起用は、単なる世代交代ではなく、過去と現在を接続するハブとして機能する点において、極めて象徴的である。また通常のライヴとは異なり、トークパートが設けられている点も見逃せない。"日本語ロック黎明期"と併走してきた松本隆や金延幸子らが登壇し、それぞれの視点から語られる言葉は、このクロニクルを立体的に浮かび上がらせるだろう。
「TOKYO POP CHRONICLE」は、いわゆる懐古主義的なイベントではない。東京で生まれた都市音楽の系譜を辿ると同時に、その楽曲が現在、そして未来の東京にどう響くのかを検証する場でもある。この都市が奏で続けてきた調べに、改めて耳を澄ませてみたい。


















